集塵機用粉塵計「ダストモニタ」とは?種類・原理・特徴を徹底解説
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粉塵濃度測定の必要性
産業の発展と引き換えにそこから排出される様々な物質は環境への負担となり、その注目度は年々増しています。環境問題も様々ありますが、長年粉体業界を歩んできた我々が着目したのが粉塵による大気汚染です。
例えば、大気中の粉塵は呼吸により人体に取り込まれるため健康に影響を及ぼします。また国内は人手不足(生産年齢人口の減少)が問題となり、労働生産性の向上と働きやすい職場が求められ、環境対策は益々重要になってきています。
そのため多くの生産工場では粉塵を大気へ排出しないように集塵機を設置します。しかし、その集塵機の劣化やメンテナンスミスで誤って粉塵が排出されるおそれもあるのです。
集塵機を設置して安心ではなく、その後の展開も考えた施策が必要です。そのため集塵後の効果を見守るためにも、粉塵濃度の測定(モニタリング)は欠かせないのです。
粉塵計とは?
粉塵計(粉じん計)とは、普段目には見えない空気中に浮遊する微粒子の濃度を測定するセンサで粉塵濃度計とも呼ばれます。そして粉塵計は利用場面に応じて数種類に分類されます。
例えば、クリーンルームを測定するのはパーティクルカウンター。作業環境測定の一つである屋内作業場における空気中の土石・岩石・鉱物・金属または炭素の粉じんの濃度の測定を行うものをデジタル粉塵計。そして集塵機からの排出を監視するものをダストモニタと言います。これらは粉塵濃度(mg/㎥)または清浄度で表示されたり、単発測定や連続測定など機器により様々です。
ここでは集塵機から排出される粉塵を監視する粉塵計「ダストモニタ」について説明いたします。
ダストモニタのJIS規格
集塵機用の粉塵計は近年の厳しい世論に対する連続測定の必要性から、 2018 年 1 月、ダスト濃度自動計測器の性能評価方法がJIS規格として規定されました。( JIS B 7996 2018 年 1 月 22 日制定)
これにより、光散乱方式、光透過方式及び摩擦静電気検出方式の3方式の自動計測器について性能評価方法が確立されました。今では環境保全対策及び監視等を目的として、自動計測による連続モニタリングで幅広く使用されています。
排ガス中のダスト濃度自動計測器の性能評価方法に関するJIS制定
1.JIS 制定の目的・背景
大気環境保全対策及び監視の点で、火力発電所や清掃工場の焼却炉等では自動計測による連続モニタリングが必要となっていることから、ダスト濃度自動計測器が使用されています。しかしながら、JIS Z8852(排ガス中のダスト濃度の連続測定方法)では測定方法しか規定されておらず、これまでダスト濃度自動計測器の性能を評価する公的な規格が存在しませんでした。
また、ダスト濃度自動計測器で得られたデータについては、環境関連法令の遵法実施状況のエビデンスとして活用が期待されることから、大気汚染防止法の公定法に加えるためにもダスト濃度自動計測器 の性能評価方法の規格が求められていました。
2.JIS 制定の主なポイント
適用範囲 光散乱方式、光透過方式及び摩擦静電気検出方式(注)の 3 方式の自動計測器の性能評価方法を規定することにより、国内で使用されている機器の大半をカバーすることができるようになりました。
(注)光散乱方式とは、排ガスに測定光を照射したとき、ダストによって散乱される光の強度が、ダスト濃度と相関関係にあることを利用したダスト濃度の測定方式。光透過方式とは、排ガスに測定光を照射したとき、ダストによって遮光される測定光の減衰量が、ダスト濃度と相関関係にあることを利用したダスト濃度の測定方式。摩擦静電気検出方法とは、排ガス中にプローブ状の電極を挿入したとき、ダストが電極に衝突又は近傍を通過するときに生じる電荷の移動及び誘導がダスト濃度と相関関係にあることを利用したダスト濃度の測定方式。
引用:経済産業省 産業技術環境局 国際標準課webサイトより
「資料2」排ガス中のダスト濃度自動計測機器の性能評価方法に関するJISが制定
https://www.meti.go.jp/policy/economy/hyojun-kijun/katsuyo/shinshijo/pdf/20181220seitei2.pdf
集塵機用粉塵計「ダストモニタ」の種類
集塵機用粉塵計「ダストモニタ」には光散乱方式、光透過方式及び摩擦静電気検出方式の3方式が存在します。
ダストモニタ各方式の詳細はホワイトペーパーに纏めています。ダウンロードして御覧ください。