IIoTで始めるレベル監視のDX!危険な高所作業からの脱却
サイロやタンクの検尺によるレベル監視は、現場管理に欠かせない作業である一方、高所作業による事故リスクや作業者への負担が常につきまといます。
本記事では、IIoT(アイアイオーティー,Industrial Internet of Things)を活用して検尺業務を効率化した実際の導入事例をもとに、改善のヒントをご紹介します。安全性と効率化の両立を目指す現場担当者の方は、ぜひ最後までご覧ください。
目次[非表示]
- 1.検尺とは何か?製造現場における役割
- 2.検尺業務の課題
- 3.検尺業務をIIoT化するメリット
- 4.IIoT導入の具体的なステップ
- 4.1.現状の業務や設備の分析
- 4.2.導入目的の設定
- 4.3.デバイスやクラウドの選定
- 4.4.スモールスタート
- 4.5.本格導入と運用
- 5.成功事例:IIoTを活用したレベル監視
検尺とは何か?製造現場における役割
製造現場における検尺とは、タンクやサイロの上部から棒やロープを落とし込み、粉面や液面の高さを確認する作業です。在庫量の把握、出荷・受け入れの記録、プロセス制御、品質管理といった目的で実施されており、現場運営に欠かせない業務のひとつです。
検尺業務の課題
検尺業務は高所や狭所での作業が多く、作業者の安全確保が課題です。高所作業では転落事故や落下物による被災のリスクがあり、狭所では無理な体勢によるけがやミスが発生しやすくなります。
また、検尺には多くの時間がかかります。事務所から現場までの移動、タンクやサイロへの昇降、手作業での測定・記録といった工程がかかるため、作業効率が低くなりがちです。さらに、人によるバラつきや記録ミスのリスクも無視できません。
検尺業務をIIoT化するメリット
IoT(Internet of Things)とは、「モノがインターネットにつながり、情報のやり取りを行う仕組み」です。なかでも製造業やインフラ分野に特化した活用を「IIoT(Industrial IoT)」と呼びます。
IIoTを活用すれば、レベル計などのセンサを設置し、ネットワークで接続することで、タンクやサイロのレベルデータを自動で収集・可視化できます。これにより、高所作業を行わずともリアルタイムで在庫状況の把握が可能になります。
また、取得したデータは管理画面での分析や通知設定ができ、関係者間での情報共有が容易になります。結果として、設備の予知保全やトラブル未然防止にもつながります。
IIoT導入の具体的なステップ
現状の業務や設備の分析
検尺対象のサイロやタンクの数、測定方法、記録方法、作業にかかる時間などを整理し、導入範囲と投資対効果(ROI)の見通しを立てます。
導入目的の設定
目的を明確にすることで、導入効果を数値化しやすくなります。例えば、作業時間の短縮、データの見える化、異常検知による設備保全の強化などが考えられます。
デバイスやクラウドの選定
測定にはレベル計やIoTゲートウェイ、パソコンなどの物理的な機器(デバイス)が必要です。さらに、データを保存・処理・可視化するクラウドサービスの選定も重要です。
スモールスタート
まずは一部の設備やエリアでパイロット導入を行い、実際の業務での効果を検証します。課題や改善点を洗い出した上で本格導入へ進みます。
本格導入と運用
パイロット導入で得たデータをもとに、システムを本格的に導入します。運用開始後も、定期的なメンテナンスやシステム更新が必要です。また、現場での活用を定着させるために、従業員への教育やマニュアル整備も重要です。
成功事例:IIoTを活用したレベル監視
あるセメントサービスステーションでは、マイクロ波レベル計と無線監視システムを導入し、毎日の高所での検尺作業をゼロにすることに成功しました!安全性の向上と、作業効率の大幅な改善を実現した事例として注目されています。
IIoT技術の導入は、製造現場の業務革新を後押しする強力な手段です。まずは、小さな「見える化」から始めてみませんか?マツシマメジャテックが機器の選定から導入までしっかりサポートいたします!