液面計とは?基礎知識から選び方まで完全ガイド|現場で失敗しないポイント

液面計は、「液面の高さ」を測定するためのセンサーです。タンクや貯水槽など様々な場所で貯蔵されている液体の量が、どのくらいの高さにあるのかを連続的または定点的に検知します。製造業の現場から上下水道施設まで、幅広い分野で活用されています。

しかし実際の現場では、計測が思うようにいかず、さまざまなトラブルに悩まされるケースも少なくありません。液面計測の現場で、次のような課題はありませんか?

  • 液面が安定せず、制御がうまくいかない
  • センサーがすぐ故障し、保全負荷が増えている
  • 想定外のアラームやトラブルが頻発している

これらの原因の多くは、「液面計の選定ミス」にあります。液面計の仕組みや特性を正しく理解することは、設備保全や生産技術に携わるエンジニアにとって、プロセス最適化を実現するための重要な要素です。本記事では、現場のエンジニアが直面する具体的な課題に焦点を当て、液面計選定のポイントと実践的なアプローチについて解説します。

目次[非表示]

  1. 1.液面計の定義
  2. 2.液面計(レベル計)比較
  3. 3.失敗しないための液面計選定:現場の「困った」を解決する5つのケース
  4. 4.液面計×IoTで変わる設備保全の未来
  5. 5.現場に最適な「液面計」を見極めるためのチェックリスト

液面計の定義

液面計の最も基本的な機能は、タンク内に貯蔵された液体原料や製品、あるいは排水などの量が、設定した上限や下限に達していないかを監視することです。液面の高さを「レベル」と呼び、レベルを測定するセンサーであることから「レベル計」や「レベルセンサー」とも呼ばれます。測定した液面の高さのデータは、現場の表示器で確認できるだけでなく、制御室のモニターに表示したり、ポンプやバルブの自動制御に利用されたりします。

レベル計とレベルスイッチ

液面計は、その機能から大きく「レベル計」と「レベルスイッチ」の二つに分類されます。レベル計は、タンク内の液面を0%から100%まで連続的に測定し、その変化をアナログ信号(例:4-20mA)として出力する機器です。レベル計は、液位を常に正確に把握したい場合や、液面の高さを一定に保つための比例制御を行う場合に不可欠です。

一方、レベルスイッチは、液面があらかじめ設定した特定の位置に達したかどうかを検知し、オンまたはオフの接点信号を出力する機器です。

ここでは、液面計の中でも連続的に測定するレベル計について説明します。

レベルスイッチについてはこちら↓

レベルスイッチの種類・仕組みと機種選定に役立つ解説 

接触式と非接触式

レベル計の中でも、その測定原理は大きく「接触式」と「非接触式」の2つに分類できます。これは、センサー部分が測定対象の液体に直接触れるか触れないかの違いです。どちらのタイプを選ぶかは、測定する液体の性質や設置環境に大きく左右されるため、基本的な違いを理解しておくことが重要です。

液面計(レベル計)比較

主要な液面計(レベル計)を方式の特性と、産業現場の視点から比較した表を示します。選定の際の参考にしてください。

測定方式

原理

得意な環境

強み

弱み

超音波式

非接触

腐食性薬品、汚水

液体に非接触、メンテナンス性簡便

蒸気・泡・温度変化に弱い

電波式

非接触

蒸気、温度変化

悪条件下でも、安定して高精度な測定が可能

低誘電率液に注意

静電容量式

接触

高温高圧

可動部なし、腐食性高、高精度

誘電率変動に影響、導電性液に注意

フロート式

接触

清浄な液体、電源不要環境

構造シンプル、安価、視認性高

粘性液・付着物で固着、可動部有

圧力式

接触

開放タンク、高さのあるタンク

低コスト、泡・波・撹拌などの影響が少ない

比重(密度)変化に影響、温度変化・組成変化で測定誤差大

差圧式

接触

密閉タンク、高温高圧プロセス、泡立ち液

内圧変動に強い、泡の影響小

比重変化に影響、導圧管詰まり

直視式(ガラスゲージ)

接触

小型のタンク、冷却水、温水、

目で見て液面確認、電源不要、取り扱いが簡単、低コスト

濁り・泡・直射日光で劣化

レベル計をもっと詳しく知りたい方はこちらから↓

レベル計・レベルセンサの種類と選び方 | 11タイプを徹底比較解説

失敗しないための液面計選定:現場の「困った」を解決する5つのケース

液面計の選定は、測定対象の液体、設置環境、求められる精度など、多岐にわたる要因を総合的に考慮する必要があります。ここでは、現場でよくある「困った」状況をご紹介し、それぞれに解決策となる液面計の方式を解説します。

①蒸気のある環境での安定測定

課題:化学プラントや製鉄所など、高温の蒸気が常に発生する環境では、超音波式液面計では音波が減衰・散乱し、正確な測定が困難になります。また、結露による誤動作も懸念されます。

解決策:電波式液面計が最適です。電波は蒸気の影響を受けにくく、ガス雰囲気による伝播速度の変動もほとんどありません。

②強酸・強アルカリなどの腐食性液体への対応

課題:硫酸や塩酸・苛性ソーダなどの強腐食性液体を扱うタンクでは、センサーが液体に直接触れる接触式液面計では、材質の劣化が避けられず、頻繁な交換やメンテナンスが必要となります。これはコストだけでなく、作業員の安全リスクも伴います。

解決策:非接触式液面計(電波式・超音波式)が第一選択肢となります。センサーが液体に触れないため、腐食の問題を根本的に回避できます。もし接触式が必要な場合は、接液部がフッ素樹脂(PTFE)やハステロイなどの耐食性に優れた材料で完全に覆われた静電容量式や差圧式液面計を選定します。

③泡立ちがあるタンクでの正確な液面検知

課題: 発酵槽や反応槽のように、液面が激しく泡立ったりする環境では、超音波式液面計では泡が音波を吸収・散乱させ、正確な液面を捉えられないことがあります。

解決策: 導波管を使用した電波式液面計が有効です。また、液面下の静圧を利用する差圧式や圧力式も有効な選択肢です。

④高粘度・付着の多い液体の液面管理

課題: スラリー、塗料、接着剤、高粘度油など、センサーに付着しやすい液体や、固形物を含む液体では、フロート式などの可動部を持つ液面計は固着や詰まりを起こしやすく、誤動作や故障の原因となります。また、接触式のセンサー表面に付着物が堆積すると、測定誤差が生じます。

解決策: 可動部がなく、センサーに付着物が堆積しにくい静電容量式液面計や非接触式液面計(電波式、超音波式)が適しています。静電容量式では、電極に付着物が堆積しても、その影響をキャンセルする「付着物補償機能」を持つ製品もあります。非接触式はそもそも液体に触れないため、付着の問題を回避できます。

⑤低温・高圧の液化ガス(LNG・LPG等)の精密計測

課題: 液化天然ガス(LNG)や液化石油ガス(LPG)などは、極低温または加圧された密閉タンク内で貯蔵されます。これらの環境では、外部との温度差による蒸発を伴う液面変化や、気相部の圧力変動が生じるため、一般的な液面計では正常に動作しない場合や、大きな測定誤差が発生する場合があります。

解決策:このような環境では、非接触で安定測定が可能な電波式液面計(レーダー式)が広く採用されています。極低温や気相変動の影響を受けにくく、高精度な測定が可能です。さらに、設備条件によっては差圧式液面計が補助的な選択肢となる場合もあります。また、大規模な貯蔵タンクや商取引用途では、サーボ式液面計が広く用いられ、液面の高さに加えて密度や温度も同時計測可能なため、高精度な在庫管理を実現します。

また、低誘電率のため一般的な測定方式では安定計測が難しい液化燃料においては、アドミタンス式レベル計が有効なソリューションとなります。ロケット燃料分野でも活躍するこの技術は、LNG・LPGの高精度管理においても高い性能を発揮します。詳しくは下記画像をクリックください。

                     

アドミタンス式レベル計の紹介ページogp

                     

液面計×IoTで変わる設備保全の未来

近年、液面計は単なる測定器としてだけでなく、IoT(モノのインターネット)技術との連携により、設備保全や生産管理のあり方を大きく変革しています。液面計から得られるデータをクラウドに集約し、AIによる分析を行うことで、以下のような新たな価値が生まれています。

予知保全

液面計の測定値の微細な変化やトレンドを監視することで、ポンプの異常、配管の詰まり、タンクの腐食などの兆候を早期に検知し、故障前にメンテナンスを行うことが可能になります。これにより、突発的なダウンタイムを削減し、計画的な設備稼働を実現します。

予知保全についての詳細はこちら↓

予防保全と予知保全|設備トラブルを防ぐ保全戦略の基本

リモート監視・制御

遠隔地から複数のプラントの液面状況を一元的に監視し、必要に応じて遠隔操作でバルブの開閉やポンプの起動・停止を行うことができます。これにより、巡回点検の負荷を軽減し、緊急時対応の迅速化が図れます。

プロセス最適化

液面データと他のプロセスデータ(流量、温度、圧力など)を統合的に分析することで、生産プロセスのボトルネックを特定し、原料投入量の最適化、反応時間の短縮、エネルギー消費量の削減など、効率的な生産計画を立案できます。

液面計のデータ活用は、生産現場のDXを推進し、持続可能なスマートファクトリーの実現に向けた重要な一歩となります。

現場に最適な「液面計」を見極めるためのチェックリスト

最適な液面計を選定するためには、以下のチェックリストを活用し、自社の状況を詳細に把握することが重要です。

  1. 測定対象の性質:腐食性、粘度、比重、誘電率、泡立ちの有無、固形物の有無、温度はどうか

  2. 設置環境:タンクの形状、サイズ、内部構造(撹拌機、障害物)、周囲の温度・湿度、圧力、防爆エリアか

  3. 測定目的と精度:連続的な液位監視が必要か、特定のポイント検知で十分か、求められる測定精度はどの程度か

  4. メンテナンス要件:メンテナンス頻度、清掃の容易さ、作業員の安全確保はどうか

  5. コスト:初期導入コストだけではなく、ランニングコスト(メンテナンス、消費電力など)を含めたライフサイクルコストで評価しているか

  6. 既存システムとの連携:既存の制御システムや上位システムとのデータ連携は可能か、IoT/DXへの拡張性はどうか

最適な液面計を導入することは、生産効率の向上、製品品質の安定、そして何よりも現場の安全確保に直接つながります。この記事で得た知識をもとに、現場の課題解決に最も貢献する液面計を見つけてください。もし液面計の機種選定に迷ったら、お気軽にマツシマメジャテックまでご相談ください。デモ機による現場テストも可能です。現場にあった液面計選びをしっかりサポートします。

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