レベルスイッチとは?レベルスイッチ機種選定ガイド

レベルスイッチは容器の満タンや空の位置にセンサを設置することで満タンや空になったことを検出するスイッチです。原料などの投入や払い出しを開始したり停止する信号として利用されます。検出するとONまたはOFFの接点信号を出力します。

また、貯蔵量が大きくなるとレベルスイッチだけでは不足し、中間の貯蔵レベルを確認したいというご要望も出てきます。
そのような場合は、貯蔵量を連続でリアルタイムに計測できるレベル計が使用されます。
レベル計については別記事にまとめていますので、そちらを御覧ください。




多種多様な素材を様々な環境でレベルを検出するために、パドル式レベルスイッチ・静電容量式レベルスイッチ・フロート式レベルスイッチなど数多くの種類のレベルスイッチが存在します。機器の特長は理解していても、いざ選定しようとすると戸惑うこともあるのではないでしょうか。

選定には物性、測定環境、設置条件、外乱など、複数の条件が関わってきます。これらは更に細分化され数十項目に及びます。その組み合わせは天文学的数字でとても全てを把握できません。

そこでマツシマメジャテクでは、お客様が複雑な機種選定の戸惑いから少しでも開放されるよう「レベルスイッチ機種選定ガイド」を作成しました。機種選定を簡素化するために選定条件を主要なものに絞り込んでいることやメーカーによる仕様の違いから、その選定が必ずしも全てではなく、動作保証を行うものでもありませんが、皆様が機種選定する上で少しでも参考になればという思いから制作いたしました。
機種選定の際はぜひご活用ください。

また、すべてがマッチングするとは限りません。その様な場合も、特殊仕様で対応するケースも多々ありますので、その際は当社やメーカーへお問い合わせください。


目次[非表示]

  1. 1.パドル式レベルスイッチ
    1. 1.1.原理
    2. 1.2.特長
    3. 1.3.短所
  2. 2.静電容量式レベルスイッチ
    1. 2.1.原理
    2. 2.2.特長
    3. 2.3.短所
  3. 3.アドミタンス式レベルスイッチ
    1. 3.1.原理
    2. 3.2.特長
    3. 3.3.短所
  4. 4.振動式レベルスイッチ(プローブ式)
    1. 4.1.原理
    2. 4.2.特長
    3. 4.3.短所
  5. 5.振動式レベルスイッチ(音叉式)
    1. 5.1.原理
    2. 5.2.特長
    3. 5.3.短所
  6. 6.フロート式レベルスイッチ
    1. 6.1.原理
    2. 6.2.特長
    3. 6.3.短所
  7. 7.電極式レベルスイッチ
    1. 7.1.原理
    2. 7.2.特長
    3. 7.3.短所
  8. 8.レベルスイッチ比較表および機種選定ガイド


パドル式レベルスイッチ

原理

パドル式レベルスイッチは回転するパドル(検出羽根)が測定物に覆われ拘束されると検出します

特長

  • 電気的特性の影響を受けません。
  • 付着にも強く、測定条件をあまり選びません。

短所

  • 可動部が有り定期的な交換が必要です。

  • 硬い測定物はパドルの回転軸に噛み込み停止する場合があります

  • 繊維状の測定物はパドル部に絡みつき誤動作する場合があります

  • 軽い粉体検出には不向きです。

  • 比重が大きい測定物はその荷重でパドル部が曲がることがあります。




静電容量式レベルスイッチ


原理

プローブとタンク(金属製)が電極となりその間の静電容量の変化を捉えて検出します。電極間が空の場合と、測定物で満たされた場合の静電容量値の変化を検出します。


特長

液体・粉体どちらにも対応できる万能なレベルスイッチです。


短所

  • 目安は比誘電率2.0以上です。(メーカーに相談要)
  • 付着性のある測定物の調整には限界があります。
  • 低比誘電率の物質は静電容量の変化が少ないため検出が難しいです



アドミタンス式レベルスイッチ

原理

静電容量式レベルスイッチの一種です。
付着の影響を軽減するためプローブ先端でセンシングする構造です。(一般的な静電容量式はプローブ根本でセンシングするため付着の影響を受けやすい。)


特長

ガード電極の採用により一般的な静電容量式と比べて付着の影響を受け難いため、スラリーなどの検出に有効です。
測定物の比誘電率やプローブの長さが変わると、一般的な静電容量式の場合は基板の再選定が必要ですが、アドミタンス式は不要です。


短所

低比誘電率の物質は静電容量の変化が少ないため検出が難しいです。
目安は比誘電率2.0以上です。(メーカーに相談要)





振動式レベルスイッチ(プローブ式)


原理

微振動しているプローブが測定物で覆われると、その振動が小さくなり、その減衰を感知して検出します。


特長

かさ密度0.02g/c㎥もの軽量な物体の検出が可能です。(メーカーによる)
測定物の電気的特性の影響がないため静電容量式の苦手な低比誘電率の測定物に有効です。
可動部がないためパドルのような噛み込みがありません。
液中の堆積物の検出も可能です。(メーカーによる)


短所

手で握ってダマになるような測定物は、センサの振動で測定物内に隙間(空洞)を作る可能性が有り、検出できないことがあります。
液体の検出はできません。





振動式レベルスイッチ(音叉式)

原理

微振動しているフォーク状のプローブが測定物で覆われるとその振動が小さくなり、その減衰を感知して検出します。


特長

・液体、粉体どちらにも対応できます。
・小型で小さなタンクへの取付に有効です


短所

大きな粒径の測定物はフォーク状のプローブの隙間に挟まって誤検出する可能性があります。



フロート式レベルスイッチ

原理

フロート部が測定物(液面)に浮くことでスイッチが働きます。


特長

・物理的で動作がわかりやすい。
・非常に安価です。
・電源が不要です。
・1台で多点を検出できます。


短所

・波や流れがあるところではその影響を軽減するため、防波管を設置する必要があります。
・付着や固着のある場所ではフロート部の動作が悪くなり誤動作する可能性があります。






電極式レベルスイッチ

原理

1つのアース電極と複数の検出電極で構成されます。
アース電極と検出電極が測定物(液面)で導通すると検出します。


特長

1台で多点検出できます。
電極材質の種類が豊富です。


短所

純水など電気を通さないものは検出できません。
付着物や固着物で導通して誤動作する可能性があります。



レベルスイッチ比較表および機種選定ガイド

数多くあるレベルスイッチの中から素材産業で利用されることの多い10種類をピックアップしました。測定物の物性やいくつかの測定環境の条件からどのレベルスイッチが最適か確認できる早見表です。

裏面は、10種類のレベルスイッチのそれぞれの原理と特長及び不得意な内容をまとめました。
ぜひ、ダウンロードしてご利用ください。







お役立ち資料ページの紹介

人気記事ランキング