水位計の種類と特徴:8つの主要タイプを徹底解説

水位計は、河川やタンク内の液体などの対象物の高さを測定するセンサです。
産業プロセスの自動化や防災、環境監視において不可欠な役割を担っています。本記事では代表的な8種類の水位計を取り上げ、それぞれの測定原理や長所と短所などを詳しく解説します。さらに測定対象や環境、要求される精度といった観点から最適な水位計を選ぶためのポイントも紹介します。

 

 

水位計とは

水位計とは、液体の液面を測定するためのセンサです。
液面に直接触れずに計測する非接触式と、センサを液体に触れさせて測定する接触式があり、それぞれ異なる原理を採用した多様な製品が存在します。測定対象や設置環境に応じて、最適な方式を選定できます。

 

水位計の用途は?

水位計は、防災から産業・インフラ管理まで幅広い分野で活用されています。

●防災・河川管理

  • 河川、ダム、ため池の水位をリアルタイムで監視
  • 洪水・氾濫の危険度を判断するための基礎データ
  • 危機管理型水位計として、氾濫危険水位・注意水位の監視に利用

●産業分野

  • 化学プラント、食品工場、製鉄所などのタンク残量管理
  • 生産プロセスの安定化・効率化に貢献

●社会インフラ

  • 上下水道施設の配水・貯水管理
  • 農業用水路の水量調整
  • 調整池・樋門・水処理施設などの運転管理

このように水位計は、各分野の安全確保や生産性向上に欠かせない計測機器として利用されています。

 

水位計の種類別比較

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水位計には多種多様な測定方式があり、それぞれに得意な環境や測定対象が存在します。種類は、大きく分けて以下の2種類があります。

非接触式:液面に触れずに測定(ミリ波・電波・超音波)
接触式 :液体にセンサを触れさせて測定(フロート・静電容量・ガイドロープ・圧力式・差圧式)

例えば、蒸気が多い環境に強い方式、高精度な測定が可能な方式、あるいはコストを抑えて導入できる方式など、それぞれの特性を主要なポイントだけをまとめた比較表を掲載しています。 この比較表を参照することで、課題や目的に合致する水位計の候補を効率的に絞り込むことができます。 各方式の詳しい解説は後続の章で詳述します。

 

種類 得意な用途 長所・短所

ミリ波レベル計

タンク、貯槽

長所:過酷環境や狭所に強い
短所:低比誘電率液や結露で不安定

電波式水位計 タンク、河川、溜池、ダム

長所:風雨や濁流でも安定・安全性が高い
短所:低比誘電率液・結露で測定困難

超音波レベル計 タンク、比較的静かな水面 長所:比較的安価
短所:蒸気・ガス・温度変化に弱い
フロート式レベル計 タンク、貯槽 長所:構造が簡単で安価・信頼性が高い
短所:汚れ付着と可動部のメンテが必要
ガイドロープ式レベル計 狭い・細長いタンク 長所:狭所に強く構造物の影響が少ない
短所:ロープへの付着・ねじれで誤計測
静電容量式レベル計 タンク、貯槽 長所:狭所に強く構造物の影響が少ない
短所:接触式で汚れ・比誘電率変動の影響大
圧力式レベル計(投げ込み式) タンク、貯槽、小型容器など 長所:比較的安価・狭いスペースでも可
短所:気泡・汚れ・比重変化・流木の影響大
差圧式レベル計 密閉タンク、水処理施設など

長所:内圧変動に強く密閉タンク向き
短所:気泡・比重変化で誤差、ゼロ調整が必要

 

  

水位計の種類

ミリ波レベル計

原理
ミリ波レベル計は、ミリ波と呼ばれる短波長の電磁波を使用して水位を測定します。一定の周期で周波数を変調させながらミリ波を送信し、液面で反射、受信された時に送信しているミリ波との周波数の差を、往復の伝搬時間に変換、距離として計測します。

特長
・非接触式で液面に直接触れずに計測するため、汚染や異物混入のリスクが低い。
・温度やガス、蒸気の影響を受けにくく、過酷な環境でも正確な計測ができる。
・空気の振動(風など)によって信号がブレることがなく、風や振動のある環境でも安定した測定ができる。
・狭い場所での測定に適している。また放射角が小さく、周囲の構造物の影響を受けにくい。

短所
・比誘電率の低い液体では反射波が十分に得られず、測定が不安定になる可能性がある。
・蒸気がタンク天井で結露し水膜になると、電波が透過できず測定に影響を及ぼすことがある。その場合はエアパージの併用が有効。

  

電波式水位計

原理
電波式水位計は非接触式レベル計です。マイクロ波レベル計とも言われます。
センサから発信したマイクロ波パルスが測定物から反射して、センサに戻るまでの時間を計測し、空尺距離に換算します。

特長
・温度やガス、蒸気の影響を受けにくく、過酷な環境でも安定して計測できる。
・空気の振動(風など)によって信号がブレることがなく、風や振動のある環境でも安定した測定ができる。

短所
・比誘電率の低い液体では反射波が十分に得られず、測定が不安定になる可能性があります。
・蒸気がタンク天井で結露し水膜になると、電波が透過できず測定に影響を及ぼすことがある。その場合はエアパージの併用が有効。

 ※電波式水位計は   
「新技術情報提供システム」の登録商品です。

電波式水位計_NETIS登録番号

 

開放空間での利用が可能な電波式水位計

  

超音波レベル計

原理
超音波を使った非接触式レベル計です。
超音波式レベル計は、センサから超音波パルスが発信され測定物から反射してセンサに戻るまでの時間を計測し空尺距離に換算します。

特長
・レベル計の中では比較的安価になります。
・非接触での測定が可能でメンテナンスも簡便。

短所
・蒸気やガスが発生している環境では、空気振動が妨害され超音波が減衰し、指示飛びや指示のふらつきなど測定値の不安定になる。特に蒸気やガスで視界が悪く液面が見えない環境では使用を推奨しない。
・蒸気が発信面に結露を生じさせ、不必要な反射や反射波の減衰を引き起こし、指示の不安定要因となる。
・測定エリアで大きな温度変化やガスの発生があると音速が変化し、測定誤差が発生する。

 

フロート式レベル計

原理
フロート式レベル計は、ステンレステープに吊るしたフロートを液面に浮かべ、液位のレベル変動に追従させています。テープの長さを常に計測することで空尺距離を計測しています。
フロートスプリングバランス式、シールパイプ式、カウンターウエイト式があります。

特長
・構造がシンプルでコストが低い。
・高い信頼性と耐久性。

短所
汚れや浮遊物が付着・固着すると可動部が動かなくなり、誤検出や検出不可の原因となる。投入制御では液位を認識できず、オーバーフローを引き起こす危険がある。薬液タンクでは、空気に触れる部分で結晶化が発生し、同様の不具合につながる。
・消耗品が多く、メンテナンス性に欠ける。
・フロートに固形物が堆積すると測定誤差が生じる。
・防波管内で使用する場合、付着によりフロートの動きが悪化し、誤作動につながる可能性がある。

 

ガイドロープ式レベル計

原理
ガイドロープ式レベル計は、タンク天井から垂直に吊るしたガイドロープに沿ってマイクロ波パルスを発信し、液面で反射して戻ってくるまでの時間から液面位置を算出します。この方式は、タンク内部が狭く、容器の形状が複雑な場合に向いています。

特長
・狭い場所での測定に適している
・放射角がないため、周囲の構造物の影響を受けにくい

短所
ガイドロープへの付着が多い場合、誤計測を引き起こす可能性がある。
・ワイヤにキンク(折れ)や素線切れ、付着が発生するとノイズ反射が増え、誤計測しやすくなる。
・液中の汚れ・浮遊物・結晶成分がガイドロープに蓄積すると誤った反射波を生み出し、正しい反射波が検出できなくなる。その結果、誤計測が発生し、気づかないままタンクを空にしてしまうなどの危険がある。

 

静電容量式レベル計

原理
静電容量式レベル計は静電容量式レベルメータと呼ばれることもあります。タンク天井からタンク内へ挿入したプローブ電極とタンク壁でコンデンサを形成しています。電極間に測定物が入ると、その量に比例して静電容量が変化します。この変化量を測定し、貯蔵レベルに換算します。

特長
・狭い場所での計測に向いている。

短所
・接触式のため、異物混入のリスクがある。
・タンクを空にしてゼロ調整を行う必要がある。
・測定物の比誘電率が変化すると、測定誤差が発生する。

 

圧力式レベル計(投げ込み式水位計)

原理
圧力式レベル計(投げ込み式水位計)は、液位による液圧の変化をダイヤフラムが捉え貯蔵レベルに換算します。
ただし、タンク内圧力が大気圧という条件での利用となります。

特長
・レベル計の中では比較的安価。
・設置スペースが狭い場所にも取り付けやすい。

短所
液中に気泡が多い場合、圧力にムラが生じ、測定精度が低下する。
・付着物や固形物の沈降が多い環境では、測定精度が低下しやすい。
・液体の比重が変化すると液圧も変動するため、その都度の合わせ込みが必要となる。
・河川で使用する場合、豪雨時の濁流に含まれる瓦礫や流木がセンサに衝突し、故障につながる可能性がある。

 

差圧式レベル計

原理
差圧計は、液圧を計測するダイヤフラムの他にタンク内圧を計測するダイヤフラムの2つで構成されます。
液圧からタンク内圧を差し引くことで貯蔵レベルを算出します。

特長
・タンク内の圧力変化の影響を受けず測定できる。
・開放タンクだけでなく、密閉タンクにも適用できる。

短所
液中に気泡が多い場合、圧力にムラが生じ、測定精度が低下する。
・付着物や固形物の沈降が多い環境では、測定精度が低下しやすい。
・液体の比重が変化すると液圧も変わるため、その都度の合わせ込みが必要となる。
・メンテナンス時にはタンクを空にする必要がある。

 

水位計の選び方

最適な水位計を選定するには、いくつかの重要なポイントを総合的に検討する必要があります。まず考慮すべきは、測定対象物の種類や性質、そして設置される環境条件です。

次に、アプリケーションに求められる測定精度を満たしているかを確認します。
さらに、設置工事の手間や導入後のメンテナンス性、トータルコストも無視できない要素です。
これらの観点から各方式の長所と短所を比較し、自社の要件に最も合致する製品を選ぶことが重要です。

 

測定対象・環境で選ぶ

水位計の選定において、測定対象の特性と設置環境の把握は最も重要です。
測定対象が水や油のような液体では、適した測定方式は異なります。
また、対象物が腐食性を持つ場合や、衛生的な管理が求められる食品・薬品の場合は、非接触式のセンサが有利です。

さらに、タンク内が高温・高圧であったり、蒸気が多量に発生したりする過酷な環境では、それらの影響を受けにくい電波式や差圧式などが候補となります。 逆に、穏やかな環境であれば、安価な超音波式やフロート式も選択肢に入ります。

 

必要な精度で選ぶ

水位計を選定する際には、業務上必要とされる測定精度を明確にすることが重要です。
例えば、化学反応を厳密に管理するプロセスや、取引に使われるタンクの在庫管理では、ミリメートル単位の高精度な測定が求められます。
このような用途では、ミリ波レベル計やガイドロープ式レベル計が適しています。

一方で、貯水槽や河川の水位監視など、おおよそのレベルを把握できればよい用途であれば、必ずしも最高精度の製品は必要なく、コストパフォーマンスに優れた超音波レベル計や圧力式レベル計で十分な場合があります。
求める精度とコストのバランスを考慮して機種を選定します。
 

設置・メンテナンスのしやすさで選ぶ

水位計の選定では、初期の設置工事の手間やコスト、そして導入後のメンテナンス性も重要な判断基準となります。
例えば、投げ込み式の圧力式レベル計は、センサを投入するだけで設置が完了するため非常に手軽です。

一方、差圧式レベル計は高精度ですが、タンクへの配管工事が必要となり、導入のハードルが上がります。メンテナンス面では、測定対象に触れない非接触式はセンサの清掃が不要な場合が多く、手間がかかりません。対照的にフロート式や圧力式などの接触式は、付着物や堆積物による誤作動を防ぐため、定期的な点検や清掃が求められます。

 

水位計の導入事例

水位計は、その特性を活かして様々な産業分野や社会インフラで活用されています。
例えば、河川管理の現場では、電波式水位計が遠隔からリアルタイムで水位を監視し、豪雨時の迅速な防災対応を支えています。
化学プラントでは、ミリ波レベル計が貯蔵タンクの液体の残量を正確に計測し、効率的な在庫管理と生産計画の立案に貢献しています。このように、現場の課題やニーズに合わせて最適な水位計が導入されています。

マツシマメジャテックでは、過酷な条件下でも安定した測定が可能なミリ波レベル計や電波式水位計の導入事例が豊富にございます。様々な課題を解決に導いた事例を、ぜひダウンロードしてご覧ください。

 

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水位計に関するお役立ち情報

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これらの情報を参考にすることで、水位計への理解を深め、より的確な製品選定や安定した運用を実現できます。 定期的に新しい情報を更新しておりますので、ぜひご覧ください。

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