粉塵の影響と対策|室内・工場・工事現場で効果的な対策 


目次[非表示]

  1. 1.粉塵作業が人体に及ぼす影響
  2. 2.健康被害防止のための予防策
  3. 3.粉塵が発生した場合の対策
    1. 3.1.対策1:粉塵の発生を抑える
      1. 3.1.1.作業方法や原材料の見直し
      2. 3.1.2.建物の構造や設備の配置を見直し
      3. 3.1.3.粉塵の発生源を密閉して対策
      4. 3.1.4.散水などによって粉塵の飛散を抑える
    2. 3.2.対策2:集塵機で取り除く
    3. 3.3.対策3:粉塵の濃度を薄める
      1. 3.3.1.空気を入れ替える全体換気
    4. 3.4.粉塵対策の効果をモニタリングする
      1. 3.4.1.エアダストモニタ
      2. 3.4.2.エアパーティクルモニタ


粉塵作業が人体に及ぼす影響

粉塵が発生・浮遊する作業場で、作業者が長い期間それを吸引してしまうと『じん肺』へと発展する可能性があります。
粉塵作業やじん肺に関する法令には、「労働安全衛規則」に加えて、「じん肺法」と「粉じん障害防止規則」などがあります。じん肺法第2条では、「じん肺とは粉じんを吸入することによって肺に生じた線維増殖性変化を主体とする疾病」と定義されています。「線維増殖性変化」というのは、肺が異物である粉塵を吸入し続けてしまった時に生体の対処能力を超え、結果として肺に不可逆的な変化が発生した状態を意味します。
この状態がじん肺であり、発症まで10年以上の経過をたどることもある上、根本的な治療法は現在においても確立されていません。ひとたび発症すれば悪化させないことが治療の目標となります。そのためには、さらなる粉じんばく露の回避に加えて、禁煙と感染予防が大切になってきます。

健康被害防止のための予防策

健康被害を発生さないようにするには、発塵現場への予防が最重要かつ根本的な対処法です。
粉塵環境下での作業は特に製造業や鉱業・建設業に多く、予防は大きく分けて下記の3点が基本となります。

  1. 粉塵を発生させない(=作業環境の改善)
  2. 粉塵の拡散を防止する(=換気対策の実施)
  3. 粉塵を吸入しない(=呼吸用保護具の適切な使用)


粉塵が発生した場合の対策

対策1:粉塵の発生を抑える

作業方法や原材料の見直し

作業方法を変更したり、工程の自動化や遠隔操作をすることで、直接作業に従事しなくてもよい環境にします。また、原材料の見直しも有効です。

建物の構造や設備の配置を見直し

飛散した粉塵は屋内の梁や窓枠などに堆積しやすく、人の動きにより再び飛散します。
梁ならば上部を曲面にしたり、傾斜をつける、窓枠にも傾斜をつけるなどし、堆積しにくい構造にすると軽減されます。床と壁の境目にも堆積しやすく、直角ではなく丸みを持たせ、掃除しやすいようにします。設備の配置では、粉塵の発生する工程と発生しない工程を分け、屋内全体に粉塵が飛散しないように工夫します。

粉塵の発生源を密閉して対策

粉塵が発生する機械や設備を密閉し粉塵の飛散を抑える。原料や製品の投入口、取出口をビニールのカバーや蓋などで覆い、粉塵が外部に出ないようにします。

散水などによって粉塵の飛散を抑える

粉塵の飛散を抑える方法として、「湿式法」を活用します。
研削作業などの加工時に水や油をノズルなどで注ぐことにより、発生する粉塵の飛散を防ぐことができます。また、粉塵を吸着しやすくした粉塵防止剤などを、ミストなどにして噴霧しておくことで、粉塵の飛散を抑えることもできます。


対策2:集塵機で取り除く

機械や設備など、粉塵の発生源にフードを取り付け、そこから空気を吸引することで、粉塵を吸引することができます。
集塵機は、フード、ダクト、除じん装置、ファン、排気口で構成されます。
作業現場の空間に「送気」と「吸気」によって空気の流れを作り出し、発生源から発生する粉塵をその気流によって補足し、一定の方向へ排出します。

               集塵機のサイトへリンク→→→  ​​​​​​​


対策3:粉塵の濃度を薄める

空気を入れ替える全体換気

空間内の粉塵の濃度を薄めるためには、外部から新鮮な空気を取り込み、作業する建物全体を換気することが大切です。
ただし、粉塵が多量に発生する作業現場や粉塵の有害性が高い場合は郊外に排出してしまう危険があるため有効ではありません。その場合は、集塵機など、他の対策と組み合わせながら行う必要があります。


粉塵対策の効果をモニタリングする

エアダストモニタ

予防や発塵対策をしても設備や装置の劣化やメンテナンスミス(ヒューマンエラー)などで粉塵が漏れてしまっていたということはありえます。そこでマツシマメジャテックでは粉塵の発生が気になる現場があれば、粉塵濃度をモニタリング(常時監視)することをおすすめしています。

ここで紹介するエアダストモニタは工場の屋内外で稼働する機械設備や工事現場などからの発塵をモニタリング(常時監視)する粉塵計です。


粉塵の漏れ始めを予兆し、屋内外への発塵防止や集塵施策の効果の確認にご利用ください。
摩擦静電気方式を採用し、調整はレンジ、積分時間、警報の3つの設定だけです。光学式のような専門知識が不要なため取り扱いが簡単です。

エアダストモニタによるモニタリングの3つのメリット

  1. 屋外利用で近隣への発塵を未然に防止します。
  2. 室内労働環境改善の向上に貢献します。
  3. 集塵装置を制御すれば省エネ効果も期待できます。


エアパーティクルモニタ


精密作業ルームやクリーンブースなどの製造環境や労働環境の粉塵監視には、エアパーティクルモニタによる監視が最適です。
エアパーティクルモニタは、空間に漂う埃(ほこり)や塵(ちり)、エアロゾル等の微粒子の数や質量濃度を連続監視します。

エアパーティクルモニタ

設置後、電源をつなぎスマホでアクセスすれば、質量濃度や粒子カウント数がすぐに確認できます。

エアパーティクルモニタの特長

  1.清浄度の連続測定も可能でクラス10000のパーティクルカウンターとしても機能します。
  2.外部出力搭載で清浄装置を制御し、清浄装置の運転を制御して省エネに貢献します。
  3.Wi-Fi機能を搭載し、遠隔でPCやスマホでいつでも計測値や異常を確認できます。