
パーティクルカウンターとは?原理・測定結果の見方・粉じん計との違いを解説
パーティクルカウンターは、空気中に浮遊する微粒子を粒径ごとに測定する機器です。クリーンルームや製造現場などで、空気中の粒子数を確認し、清浄度の管理や粒子数の変化の把握に利用されています。
この記事では、パーティクルカウンターの測定原理や測定結果の見方、クリーンルームなどで関係する規格について解説します。さらに、パーティクルカウンターと粉じん計の違いについても紹介します。
パーティクルカウンターとは?
パーティクルカウンターとは、空気中に浮遊している微粒子を検出し、粒径ごとの粒子数を測定する機器です。測定結果は、一般的に「個/m³」や「個/ft³」など、一定の空気量に含まれる粒子の個数で表されます。例えば、0.3µm、0.5µm、1.0µm、5.0µmなど、機器が対応する粒径ごとに粒子数を確認できます。
パーティクルカウンターは、主に次のような場所で使用されています。
- クリーンルームの清浄度管理
- 半導体や精密機器の製造現場
- 医薬品・食品などの製造環境
- 空調設備やフィルタの性能確認
- 製造設備周辺の微粒子監視
特に、微粒子による製品への影響を抑えたい環境では、空気中の粒子数を継続的に確認することが重要です。パーティクルカウンターでは、粒子を単に「ある・ない」で確認するのではなく、粒径ごとの個数を測定できることが特徴です。
では、どのように粒子を検出し、粒径や粒子数を判定しているのでしょうか。
パーティクルカウンターの原理
一般的なパーティクルカウンターには、光散乱方式が採用されています。
光散乱方式では、空気中の粒子にレーザーなどの光を照射し、粒子によって散乱した光を検出することで、粒子の大きさと個数を測定します。
光を使って粒子を検出する
パーティクルカウンターは、インレットノズルなどから空気を取り込み、測定部に導きます。測定部では、空気中の粒子にレーザー光を照射します。粒子に光が当たると、その一部が散乱します。この散乱光をフォトダイオードなどの検出器で捉え、電気信号に変換します。散乱光が検出されるたびに粒子としてカウントし、信号の大きさなどから粒径を判定します。

粒子の大きさによって散乱光が変わる
一般的に、粒子の大きさによって検出される散乱光の強さが変化します。パーティクルカウンターでは、この散乱光の強さをあらかじめ校正された基準と照らし合わせ、粒径を判定します。ただし、実際の測定では粒子の材質や形状、屈折率などによって散乱光の強さが変わります。そのため、パーティクルカウンターで表示される粒径は、粒子を直接測った大きさではなく、散乱した光の強さをもとに判定した値です。
高濃度環境では注意が必要
粒子濃度が非常に高い環境では、複数の粒子が同時に検出領域を通過する「コインシデンス(同時通過)」が発生し、正確に粒子を数えにくくなる場合があります。そのため、測定する環境の粒子濃度が機器の最大測定粒子濃度(最大許容濃度)を超えないよう、あらかじめ仕様を確認することが重要です。
パーティクルカウンターの測定結果の見方
パーティクルカウンターの測定結果は、主に粒径ごとの粒子数を確認します。表示された数値だけで判断せず、単位や測定時の状況、評価する基準なども確認します。
まず単位を確認する
パーティクルカウンターでは、空気中の一定量に含まれる粒子数を表示します。代表的な単位には「個/m³」や「個/ft³」などがあります。同じ粒子数でも、基準とする空気の体積が異なれば表示される数値も変わるため、測定結果を比較したり基準値と照らし合わせたりするときは、表示単位を確認します。
粒径ごとの粒子数を見る
パーティクルカウンターでは、0.3µm、0.5µm、1.0µm、5.0µmなど、粒径ごとに粒子数を確認できます。どの粒径の粒子が多いのか、また測定する場所やタイミングによってどの粒径の粒子数が変化しているのかを見ることで、空気中の粒子の状態を把握できます。例えば、設備の稼働前後で特定の粒径の粒子数が増えていれば、設備の稼働と粒子数の変化に関連がないかを確認するきっかけになります。
測定時の状況と合わせて見る
パーティクルカウンターの測定値は、作業者の出入りや扉の開閉、資材の搬入、清掃、設備の稼働などによって変化することがあります。そのため、測定値が上昇した場合は、数値だけでなく、測定時にどのような作業や設備の動作があったのかも確認します。例えば、設備の稼働時だけ粒子数が増加している場合は、設備周辺での発じんや気流の変化など、粒子数が変化した要因を調べる手がかりになります。また、1回の測定値だけで判断せず、清掃前後や設備の稼働前後など、条件をそろえて継続的に測定することで、粒子数の変化を把握しやすくなります。
このような粒子数の変化を継続的に監視したい場合は、エアパーティクルモニタが使用されることもあります。パーティクルカウンターが必要な場所で粒子濃度を測定して状態を確認するのに対し、エアパーティクルモニタは設置した場所の粒子濃度を継続的に監視する用途に適しています。
規格や基準値と比較する
測定値が正常かどうかを判断するには、測定の目的に応じた基準値と比較します。クリーンルームの清浄度を評価する場合は、ISO 14644-1(JIS B 9920に対応)が代表的な規格です。ISO 14644-1(JIS B 9920に対応)では、空気中に浮遊する粒子の濃度を粒径ごとに評価し、その濃度に応じて清浄度をISOクラス1~9に分類します。
パーティクルカウンターで測定した粒子濃度は、対象となる粒径や単位を確認したうえで、該当するISOクラスの基準値と比較して評価します。クリーンルームの清浄度を適切に評価するためには、測定場所や測定条件なども含めて、規格に沿った方法で測定することが重要です。また、パーティクルカウンターなどの光散乱式気中粒子計数器については、ISO 21501-4(JIS B 9921に対応)が関係します。ISO 21501-4(JIS B 9921に対応)では、粒径の校正や計数効率など、粒子計数器の性能に関する項目が規定されています。測定結果を評価する際は、測定環境だけでなく、使用する測定器の校正状態や性能についても確認します。
パーティクルカウンターと粉じん計の違い
パーティクルカウンターと粉じん計は、空気中の状態を測定するための機器ですが、測定する内容は異なります。大きな違いは、パーティクルカウンターが主に空気中の粒子を「個数濃度」として測定するのに対し、粉じん計は主に粉じんを「質量濃度」として測定する点です。パーティクルカウンターでは、一定量の空気中に含まれる粒子の個数を、粒径ごとに「個/m³」などで表します。一方、粉じん計では、空気中に含まれる粉じんの質量を「mg/m³」などで表すのが一般的です。そのため、微粒子を粒径ごとの個数で管理したい場合はパーティクルカウンター、空気中の粉じん量を濃度として把握したい場合は粉じん計が用いられます。
両者の違いは、次のように整理できます。
比較項目 | パーティクルカウンター | 粉じん計 |
主な測定対象 | 微粒子 | 粉じん |
主な測定値 | 粒子の個数濃度 | 粉じんの質量濃度 |
代表的な単位 | 個/m³、個/ft³など | mg/m³など |
主な用途 | 清浄度管理・微粒子監視 | 粉じん濃度の監視 |
使用例 | 半導体製造工場のクリーンルーム | 集機のフィルタ破損検知 |
一般的に、パーティクルカウンターはクリーンルームなどの清浄な環境において、微粒子の侵入や粒子数の変化を監視するために使用されます。一方、粉じん計は製造現場や集じん設備などで、発生した粉じんが周囲へ排出・拡散していないかを監視するために使用されます。このように、両者は測定対象だけでなく、管理したい目的も異なります。
まとめ
パーティクルカウンターは、空気中に浮遊する微粒子を粒径ごとに検出し、粒子数として把握する機器です。一般的なパーティクルカウンターでは光散乱方式が用いられ、粒子から生じる散乱光を検出して粒径や粒子数を測定します。測定結果を評価する際は、粒子数だけでなく粒径や単位、測定時の状況も踏まえて判断することが重要です。また、クリーンルームの清浄度管理では、ISO 14644-1(JIS B 9920に対応)などの規格を基準として評価が行われます。
一方で、パーティクルカウンターは測定を行った時点の粒子濃度を把握するための機器であり、測定していない時間帯の粒子数変化までは把握できません。そのため、粒子濃度の変化を継続的に監視したい場合には、連続監視が可能なエアパーティクルモニタが使用されることがあります。
マツシマメジャテックでは、設置場所の粒子濃度を常時監視できるエアパーティクルモニタを提供しています。クリーンルームや製造環境における粒子濃度の連続監視をご検討の際は、お気軽にご相談ください。






