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パーティクルカウンターの原理や用途、粉塵計との違いを分かりやすく解説

パーティクルカウンターとは、空気中に浮遊するダストなどの微粒子数(個/㎥)を計測する計測器のことです。
似たような計測器として粉塵計がありますが、粉塵計は粉塵(ダスト)の濃度(mg/㎥)を計測します。


1.パーティクルカウンターの原理

パーティクルカウンターには光散乱方式が採用されています。インレットノズルから周囲の空気を取り込みそこにレーザー光を照射します。すると、気中に含まれる粒子にレーザー光が当たり光を散乱します。その散乱光をフォトダイオードで検知し、電気信号に変換して粒子の個数を計測しています。電圧から粒子のサイズがわかり、波形の数から粒子の数がわかります。


2.パーティクルカウンターと粉塵計の違い

パーティクルカウンターと粉塵計の主要な違いは、「気中の粒子個数(個/㎥)」を計測するものがパーティクルカウンター、「気中の粉塵濃度(mg/㎥)」を計測するもが粉塵計です。

もう少し立ち位置をわかりやすくするためポジショニングマップにまとめました。

ポジショニングマップ

低濃度の場合、粉塵濃度(mg/㎥)では値が小さすぎることから、微粒子数(個/㎥)を数えるほうが便利です。そのため解像度も高いです。逆に、高濃度の場合は微粒子数(個/㎥)にすると非常に大きな値になり過ぎて評価が分かりづらいことから、濃度(mg/㎥)で計測するほうが便利です。日常のオフィスや郊外の粉塵濃度を基準にそれよりも低濃度の場合はパーティクルカウンター、それよりも高濃度の場合は粉塵計を利用すると覚えておくとわかりやすいです。

また他にも、パーティクルカウンターは単発測定です。精度が重要になるため清浄度ごとに数多くの機種が存在するのも特徴的です。これに対し粉塵計は連続測定になります。連続測定の場合、計測した値を外部出力するためアナログ信号(DC4~20mA)を備えているケースがほとんどです。また、いくつかの方式が存在し、用途によっては吸引装置を備えたものもあります。用途に応じて選定します。

※「ダストモニタ(粉塵計)の種類と原理と特徴」の記事もあります。こちらを参照ください。


パーティクルカウンターと粉塵計の用途比較

​​​​​​​パーティクルカウンターの用途例
粉塵計の用途例
① 半導体の製造工場のクリーンルーム
①集塵機のバグフィルターの破れ検出
② 精密機器の製造工場のクリーンルーム
②生産工場、解体現場、トンネルなどの発塵場所
③ 薬品・食品・飲料製造工場のクリーンルーム
③ 溶接ヒューム
④ 印刷・機械部品・手術室・治療室
④ オフィス、商業施設など


一般的に、パーティクルカウンターは通常よりもクリーンな環境を保ちたい空間への微粒子の侵入を監視するために利用されます。ダストモニタに代表される粉塵計は日常の空間にダストが排出されないよう監視するために利用されます。


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