摩擦静電気技術とは、物体と物体が接触(衝突)した際に発生する微小電流の発生(電荷の移動現象)を電気信号として捉え、センシングに活用する技術です。
摩擦静電気の信号は接触(衝突)の状態、例えば、数の多さや大きさ、面積、力、などの変化に比例して変化する特徴があり、当社では、この電気信号をダスト(粉体)の接触から得ることで、その相関性の高さから粉じん濃度信号として取り扱う技術(ダストセンサ)に応用しています。
摩擦静電気技術は、空気中を流れる粒子(ダスト)が検出電極(プローブ)に接触した際に発生する電荷の移動現象を電気的に捉え、その移動量から相対的な粒子(ダスト)濃度を測定しています。

この電荷の移動量は、ダストの濃度に相対的に比例することが下記理論式(原理式)にて示されています。
理論式からも解るように電荷の移動量(信号)は、”流速”や”粒子径”の変化に影響を受けることになります。

粉じんを測定する際、粒子径が均一な粉じんが常に流れることはほとんどなく、また流速もほぼ一定と考えられます。もちろん、相対的に粒子径の大きいものが多い、あるいは少ないといった偏りは存在しますが、その範囲内では一定の安定性が保たれています。
粒子径の影響については、実環境で初期設定が適切に行われている限り、測定結果に大きな影響を与える要因として考慮する必要性は低くなります。同様に、意図的に流速を変動させる用途でない限り、流速が測定値に与える影響もごく小さいものといえます。
摩擦静電気技術を弊社では既に製品化し粉じん濃度計”ダストモニタ””エアダストモニタ””ダストスイッチ”として販売しています。
弊社の粉じん濃度計は、電極(プローブ)とアンプ(信号処理を行う電子回路)の2つにより構成されています。電極(プローブ)は、摩擦静電気信号を受け取り電子回路に送る重要な役割を担い、電子回路では、この摩擦静電気信号を増幅、各測定レンジに応じた相対濃度への変換を行います。
現在では粉じん濃度計としてのJIS規格も整備され、JIS Z 8852、JIS B 7995、JIS B 7996-3など、摩擦静電気技術に関連する濃度計においても3つの規格が公示されるに至っています。
粉じん濃度計”ダストモニタ”を使用した検証データの一部を紹介します。
JIS Z 8808(排ガス中のダスト濃度の測定方法)に沿った試験で得られたダスト濃度値と、同じ環境で測定した摩擦静電気式のダスト濃度値の表です。

結果、ほぼ完全な相関関係にあり、測定の信頼性があることがわかりました。
一般的に粉じん計には、摩擦静電気式と光学式が利用されることが多く、多くのユーザーは古くから煤じん計として測定精度の高い光学式を利用されてきました。
そのため、1項で述べたように相関性が高い摩擦静電気式と光学式を比較することとしました。

ほぼ同じ様な挙動を示す結果となり、光学式と同等の性能を有することがわかりました。
この結果から、摩擦静電気方式粉じん計は光学式粉じん計の代替製品として利用することが可能と考えます。

生産工場の多くは粉体を扱うことがあり、集じん機を設置するようになりました。集じん機は不要な浮遊粉じんを回収し工場内や郊外に粉じんを飛散させないようにしています。集じん機はろ布(フィルター)を装着しており、粉じんを回収し、綺麗な空気のみを大気放出しています。しかし、ろ布が摩耗や経年劣化により裂け・破れてしまうと粉じんまでも大気に放出されてしまいます。その裂け・破れによって漏れた粉じんを素早く検知し被害を最小限に抑えるため、集じん機の2次側にダストモニタで監視しています。

屋外ヤードに堆積した原料は風に乗って構外に飛散することがあります。そのため工場管理者は、現場に作業員を配置し、発じん状況に応じて散水作業をおこない構外に飛び散るのを防いでいました。日々、作業員が監視し散水する手間や見逃しなどが大きな問題になり、エアダストモニタを活用した散水の自動化をおこないました。エアダストモニタで24時間連続監視し、規定以上の粉じんが舞った際にスプリンクラーを自動で稼働させるように対策をおこないました。

多種金属粉を扱う工場でホッパの清掃はコンタミ防止のために粉の入れ替えるたびに作業員がホッパ内に入り清掃をおこなっていました。作業員がホッパ内に入ることの危険作業や人手不足からロボットによる清掃作業を導入。清掃作業が自動化したものの完了を判別する方法を検討していました。そこで清掃時に粉じんを集じんしていたダクトにダストモニタを設置することで集じん量を把握することができ、この集じん量がゼロになったことを清掃完了と判別できるようになりました。

なお、摩擦静電気技術だけでなく
・電波を利用したレベル計測技術
・アドミタンス(静電容量)を利用したレベル計測技術
も有しており、内容によってはこれらの技術でのご提案も可能です。
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